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塩分摂取量が脳卒中・心筋梗塞に及ぼす影響 | UCLA 津川友介先生
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減塩コラム

各先生に減塩に関するコラムを
執筆していただいています

塩分摂取量が脳卒中・心筋梗塞に及ぼす影響

前回の記事は、日本人の塩分摂取量が欧米人と比べて多いこと、塩分摂取量が多いと血圧が上がり、脳卒中(※)や心筋梗塞のリスクが増加すること、カリウムを効果的に摂ることで塩分を体外に排出することを促進できることなどをご説明しました。

※「脳卒中」とは、脳の血管が詰まる病気である脳梗塞や、脳の血管が破れて出血する病気である脳出血やくも膜下出血を合わせた総称です。脳卒中は日本人の死因の第3位を占め、寝たきりなど要介護者の原因の3割以上を占めると報告 [※1]されています。

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事|単行本
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 | 単行本 津川友介 著

実際に塩分で病気になる可能性が高くなると言われてもピンと来ない人も多いかもしれません。今日塩分をたくさん摂ったら明日病気になるというわけではなく、何年(場合によっては何十年)も先の話ですので、病気になるという実感がわかない人もいるかもしれません。


今回はそう言った疑問を解決するため、医学研究から何が分かっているかご説明します。


まずは脳卒中や心筋梗塞などの血管が詰まる病気の話をします。
塩分摂取量が多いと血圧が高くなり、それによって血管の壁に負担がかかります。これを長時間放置しておくと、その結果として動脈硬化が進み、血管が詰まってしまうと考えれています。脳の血管が詰まれば脳卒中、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞になります。

実は、塩分摂取量と心筋梗塞や脳卒中との関係を見た研究は一つではなく、数多くの研究が行われています。
世界に目を向けると、塩分摂取量が多い人と少ない人をそれぞれ追跡して病気になるかどうかを調査する「観察研究」だけでなく、実際に塩分摂取量を増やすように介入してみて、病気のリスクが変わるかを評価する実験(専門用語で「ランダム化比較試験」と呼びます)も少数ですが行われています。そして複数の研究がある場合、それらの結果を統合して結論を導き出す「メタアナリシス」という手法があります。あらゆる研究手法の中で、このメタアナリシスは最も信頼できる研究の一つであるとされています。

2013年には世界的に権威のある医学雑誌であるBMJに、塩分摂取量の健康に対する影響を評価したメタアナリシスの結果が報告 [※2]されました。
その結果、塩分摂取量を減らすことで血圧は低下することが明らかになりました(ですので血圧が高めの方には是非減塩することをおすすめします)。また塩分摂取量が多い人では、脳卒中の発症率が24%高く、脳卒中による死亡率が63%高く、心筋梗塞による死亡率が32%高いと報告されました。

塩分過多は高血圧を介して、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めてしまうことが複数の研究の結果から分かってきています。
日本食は健康的な食事だと考えられていますが、塩分量が多いことだけがたまにきずでした。塩分を控えめにすることできれば、もっと健康になれることをこれらの研究結果は示唆しています。


※1 http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke.html

※2 https://www.bmj.com/content/346/bmj.f1326