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サプリメントは健康によいのか?(第1回) | カリフォルニア大学ロサンゼルス校 医学部 津川友介先生
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減塩コラム

各先生に減塩に関するコラムを
執筆していただいています

サプリメントは健康によいのか?
(第1回)

サプリメント

健康に気をつけている人ならばサプリメントの1つや2つ飲んでいるかもしれません。 薬は嫌いだけれども、サプリメントだったら飲むと言う人も多いと思われます。 外食が増えたり、仕事が忙しくてついつい不健康な食生活をしてしまった時に、サプリメントを飲むことでその悪影響を「相殺」することを期待している人もいるかもしれません。 健康を劇的に改善することはないけれども、副作用もないだろうからとりあえず飲んでおこう、くらいの気持ちで飲んでいる人もいるかもしれません。 普段の食生活を健康的にするのはすごく大変ですが、サプリメントであればそれほど努力は必要ありません。 おそらくそれが多くの人がサプリメントに頼っている一つの理由だと思います。 でもこれらのサプリメントに関するイメージは本当に正しいのでしょうか?


コンビニやドラッグストアに行くと、数多くのサプリメントが販売されています。 ビタミン剤、コンドロイチン、コラーゲン、コエンザイムQ10、プラセンタ、ニンニクエキスなど挙げればきりがありません。 ある試算※1によると、2018年度の日本の健康食品・サプリメントの市場規模は1兆5千億円であると言います。 実に日本人の2人に1人(5560万人)が健康食品・サプリメントを摂取し、一人あたりの平均購入金額は2万7千円だと推定されています(この市場調査の結果がどこまで正確なのかは不明なので注意が必要ではありますが…)。


サプリメントで本当に健康になれるのであれば、それでも良いでしょう。 もちろん手軽に多くの人がサプリメントで健康になれれば、それに越したことはありません。 それではサプリメントと健康の関係に関して、エビデンス(科学的根拠)の観点からはどのようなことが分かっているのでしょうか。


結論から言うと、健康にメリットがあると考えられているサプリメントはほとんど存在しません。 サプリメントの市場規模が大きいこともあり、それによって利益を生み出そうとしている企業がたくさんあります。 これらの企業が積極的に研究に資金提供していることもあり、実はサプリメントに関しては様々な研究が行われています(このような資金提供があることによる利益相反が問題になりうることは説明するまでもない※2)と思います)。 しかし意外なことに、その大多数が期待されたような効果が得られていません。


次回以降に、具体的にサプリメントに関してどのような研究が行われており、その結果がどのようなものであったのかご説明したいと思います。

参考文献