味噌汁と塩分
赤羽もり内科・腎臓内科の森 維久郎です。
日本人の食事には欠かせない料理のひとつ「味噌汁」。ご飯と味噌汁があるだけで、ほっと安心できますよね。
塩分を控えるように気を付けている方は、味噌汁の作り方・食べ方を少し工夫してみると良いでしょう。
今回は、味噌汁と塩分について紹介します。
味噌汁にはどれくらいの塩が入っているのか?
![お食事](/assets/rakuda/front/column/mori/article3-mori-2-dcc2014c22d5ffa07c96057ae6b862c557be45f254e350004dbd0c9e5d8da459.png)
味噌汁には、 大雑把に味噌のグラムの1割程度の塩分が入っています。20gの味噌なら2gの塩分が入っています。
味噌だけで味付けをしようとすると、大さじ1杯くらいの味噌を入れないとなかなか満足できず、結果塩分を多く摂ってしまう患者さんが結構いらっしゃいます。
あくまで理想では、味噌汁1人分あたり小さじ1杯程度、塩分で0.7gほどの塩分が望ましいです。ただし、小さじ1杯程度だとちょっと物足りない。。。そこで、活躍するのがだしのうま味です。
うま味の活用方法
![うま味](/assets/rakuda/front/column/mori/article3-mori-3-7227b58da535dadf8cd7a92487282a6a1f2f10d1bd266f53fe7d05bde4b5b18e.png)
私達の舌では、基本的に「塩味、甘味、苦味、酸味、うま味」の5つの味を感じています。塩味を減らした分、他の味を足すことで食事に対する満足度をあげることができます。
味噌汁の場合は減らした塩分の代わりにだしのうま味を足してあげることでおいしく減塩をすることができます。
だしについては、かつおだし、昆布だし、いりこだしなどがありますが、特に特定のだしが良いということではなく、手軽でお好みのもので良いです。
ちょっとしたテクニックとしては、複数のだしを組み合わせることで、相乗効果を生むことができます。
例えば、かつおぶしのうま味のイノシン酸、昆布のうま味のグルタミンが組み合わさるとうま味が数倍アップするようです。
各メーカーさんから発売されている顆粒だしなどを使用して手軽に減塩をすると良いです。
具材について
![味噌汁(具材)](/assets/rakuda/front/column/mori/article3-mori-4-d6bbc9d83d4cf56a19c728c86e368744d10a128c64d4480661c2a0af910f4e9b.png)
味噌汁を作る際のポイントとしては、まずなるべく具を多くして、汁を減らすことで塩分を減らすことができます。
できるだけ具だくさんにして飲む味噌汁ではなく、食べる味噌汁にすることで、汁の量が少なくなり摂取食塩量を抑えることができます。
またカットわかめは、そのまま入れるとカットわかめの塩分も味噌汁の中に入ってしまうので水戻ししてから使用すると良いです。
あと、少し変わった方法ですが、当院の管理栄養士のレシピで、トマトやコーンなどを入れて、食べる直前に無塩バターを入れて洋風味噌汁にしたり、ひき肉やきのこをごま油で炒めて中華風味噌汁にするというアレンジを加えているレシピもあります。
減塩の味噌汁を楽しもう
![減塩の味噌汁](/assets/rakuda/front/column/mori/article3-mori-5-da2dd59cd2c3502b245abd2ee4cb46a39f0834e2a5faa0898f40903a9a1ab361.png)
塩分を減らすという話をすると、「我慢を強いる」のような話になってしまいますが、決して味を薄くする訳ではなく、他の要素で補って工夫しながら楽しむようなイメージをもっている方が上手くいっています。
また、尿検査で塩分の摂取量を調べることが可能なので、時々調べてみると良いかもしれません。
最後に、味噌汁を減塩にしても1日2-3杯飲んでしまう方がいらっしゃいます。1日1回にすると良いでしょう。
次回は醤油について書こうとおもいます。