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減塩コラム:高尿酸血症について知ろう | 赤羽もり内科・腎臓内科 森 維久郎先生
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減塩コラム

各先生に減塩に関するコラムを
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高尿酸血症について知ろう

検査結果

健康診断で「尿酸値が高めですね」と指摘されたことがある方もいらっしゃるかと思います。 今回は、「高尿酸血症」について説明します。高血圧とともに自覚症状がない高尿酸血症について知っていきましょう。

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、血液検査をしたときの血清尿酸値が7.0mg/dLより高い状態です。
尿酸と聞くと「痛風」のイメージが強くありますが、高尿酸血症の人が必ず痛風になるわけではありません。しかし、日本では痛風患者数が年々増加しており、1986~2016年の間に痛風患者は約4倍にもなっています。
痛風発作とは、高尿酸血症の状態が続き、尿酸の結晶が足などの関節にたまることで痛みが起きることです。
高尿酸血症は自覚症状がありませんが、健康診断や人間ドックなどで指摘されたことがあるという方は、定期的に健康診断を受ける、病院で診てもらうなどして、ご自身がどんな状態にあるか確認しましょう。


成人男性の30%が高尿酸血症

足が痛い

日本では、成人男性の約30%が高尿酸血症であり、約1%が痛風と言われています。
明治時代初期には日本に痛風患者はほとんどいなかったとされており、この短期間に痛風患者が増えた原因は環境要因が大きいと考えられています。
環境要因としては、アルコール摂取、プリン体や内臓類の摂取、ストレス、激しい運動、肥満などがあげられます。
高尿酸血症、痛風ともに環境要因だけでなく、遺伝要因が関係していますが、環境要因として食事などを含めた生活習慣で気を付けられるものから気を付けていきましょう。

高尿酸血症と他の生活習慣病

高尿酸血症は自覚症状がなく、健康診断で指摘されても放置しているという方もいらっしゃるかもしれません。 高尿酸血症は高血圧と関連があるとされ、心血管疾患などとも関連がある可能性があるとされています。 さらに、血清尿酸値の上昇は、メタボリックシンドロームのリスクを上昇させると言われており、高尿酸血症は他の生活習慣病とも関連があるため、放置しないようにしましょう。


高尿酸血症の食事

食事

高尿酸血症は、糖尿病や慢性腎臓病などのようにエネルギー量の数値目標等が明確に定めている食事療法基準はありません(2022年1月現在)。 しかし、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版などでも、食事指導の必要性は述べられており、 高尿酸血症の時に気を付けたい食事のポイントについてご紹介します。


肥満の是正

高尿酸血症があるときにまず気を付けたいのが肥満の是正です。65歳未満の方でBMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上ある方は注意が必要です。まずは肥満の改善を心がけます。
そのためには、摂取エネルギーを見直すことが必要です。普段の食事を見直して、改善できる箇所から改善しましょう。


過度なアルコール摂取は控える

アルコールの摂取は高尿酸血症の発症リスクを増加させ、過度な飲酒と痛風発作は相関があるという報告があります。そのため、過度なアルコールの摂取は控えましょう。適量な飲酒は1日の純アルコール量で20gほどです。
自分が摂取した純アルコール量は、アルコール度数×飲酒量×0.8で計算できます。5%のビールを350ml飲むとすると、0.05×350×0.8=14gとなります。


十分に水分を摂取する

尿酸を排泄するため、尿をしっかり出すことが大切です。普段から水分の摂取量が少ないという方は、こまめに水分を摂取するように心がけましょう。
高尿酸血症について説明しました。健康診断で尿酸値を指摘されたことがある方はこの機会に、医療機関を受診して精密検査を受けることや、生活習慣を見直すことなど、ご自身でできることから実施してみてください。


参考・出典