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減塩コラム:メタボリックシンドロームについて知ろう | 赤羽もり内科・腎臓内科 森 維久郎先生
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減塩コラム

各先生に減塩に関するコラムを
執筆していただいています

メタボリックシンドロームについて知ろう

らくだ6.0を読まれている方の中に、会社や自治体の健診で「メタボ気味ですね」と言われたことがある方もいらっしゃるかと思います。何かと聞くことの多い「メタボ」という言葉。意外となんのことか正確にわからないという方のために、メタボとは何なのか、メタボと言われたら何をすれば良いのかについてお伝えします。

メタボリックシンドロームとは?

メタボ

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の中から2つ以上あてはまっている病態のことです。おへその周りで測定する腹囲(ウエスト周囲径)が男性で85cm以上、女性で90cm以上かどうかが必須基準となり、血液検査と血圧測定から残りの項目について2つ以上該当するか否かで判断します。 心筋梗塞などの心血管イベント、脳卒中などの脳血管イベントの危険因子の1つに動脈硬化がありますが、メタボリックシンドロームの診断にある内臓脂肪型肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常などは動脈硬化をすすめる危険因子になります。そのため、メタボリックシンドロームの状態で、将来の動脈硬化やその先の心血管イベント等を予防するために食事や運動などを含めた生活習慣を見直していくことが必要です。

特定健康診査(メタボ健診)、特定保健指導(メタボ指導)とは?

特定健康診査とは40〜74歳の方に年に1回実施されており、メタボ健診とも言われています。特定健康診査での一定の基準に該当すると、特定保健指導を受けることになり、この特定保健指導はメタボ指導とも言われています。 特定健康診査で特定保健指導に該当するか否かの基準は、メタボリックシンドロームの診断基準とは少し異なります。 まず、健診でウエスト周囲径 男性85cm以上、女性90cm以上またはBMI25以上が絶対条件になります。 ここに、高血圧・高血糖・血中脂質代謝異常・喫煙歴の4つの項目の中から、ウエスト周囲径該当者は2つ以上、BMI該当者は3つ以上で積極的支援、ウエスト周囲径該当者は1つ以上、BMI該当者は2つ以上で動機づけ支援という形になります。

特定保健指導(メタボ指導)ではなにを行うのか?

オンラインツール

特定保健指導に該当すると、積極的支援・動機づけ支援ともに、保健師や管理栄養士との面談と行い生活習慣を見直して、ご自身の体にとってこれからどうしていくべきか目標設定をして、電話やメール、アプリ等を活用しながら生活習慣改善を行っていきます。 動機づけ支援の場合は初回面談を行い、3カ月後に生活習慣改善状況を確認しますが、積極的支援の場合は、初回面談を行い、その後も定期的に電話やメール、オンラインツール等を活用しながら面談等を行い、生活習慣改善状況を確認していきます。 この制度ができた当初は対面での面談が基本でしたが、最近ではオンライン面談での実施も増えています。

基本はダイエットを行う

メタボリックシンドローム、メタボ指導該当ともに、基本的にはダイエットを行うことが多いです。なぜかと言うと、これらの基準にあるウエスト周囲径やBMIは肥満かどうかを確認しているためです。まずは、内臓脂肪を減らしていくために、食事を見直して、日々の活動量や運動量を増やしていくことが大切です。高血圧や高血糖、脂質代謝異常も、ダイエットをすることで改善することがありま、体重を適切に保つことは、健康維持に重要です。一言でダイエットと言っても、ご本人の生活状況により、どんな方法が良いか異なります。メタボ指導では保健師や管理栄養士と面談することで、自分に合う、自分にできそうなダイエット方法を一緒に考えていくことができます。

塩分は気をつけなくて良い?

まずはダイエットが大切ですが、塩分は気をつけていく方が良いでしょう。なぜかと言うと、そもそも日本人は食塩摂取量が多いからです。その量は、令和元年度の国民健康栄養調査にて男性で10.8g/日、成人女性で9.1g/日で、WHOの基準である5g/日と比較して約2倍の摂取量です。 塩分が高い食べ物を食べることで、ごはんやお酒の量が知らない間に増えてしまうということも。高血圧に該当していなくても、ダイエットを行う際には同時に塩分も気をつけていく方が、将来の体のためにも良いかと思います。