調味料と塩分
赤羽もり内科・腎臓内科の森 維久郎です。
クリニックで診療をしていると、「塩分に気を付けるつもりでも中々検査での塩分の摂取量の値が良くならない」という患者さんを結構見かけます。
普段食べているを改めて聞き直すと、意外と調味料に盲点があることがあり、今回は調味料について書こうと思います。
調味料にはどれくらいの食塩が入っているのか?
実は、私達の1日の摂取食塩量の約7割が調味料から摂取しています。中でも、醤油、塩、味噌などからの摂取が多いと言われています。
約7割もの食塩をこれらから摂取しているのであれば、まずは調味料、特に醤油、塩、味噌を減らすことが減塩への近道になります。
塩、味噌、醤油を減らすには?
塩の使い方
下味への工夫
塩を減らすための方法の一つとして、下味への工夫があります。下味をしても最後に再び味付けをすることが多くなります。また食材にしみ込んだ塩気と、最後に付ける塩気の場合前者の方が塩分の摂取量が多くなります。
下味の塩分のカットでおよそ0.5g程度塩分を減らすことが出来ます。これは目標の塩分摂取量6g/日の約1割になり、大きいです。
塩分ではなく、こしょうなどで対応して味に深みを出すなどの対応が望ましいです。また、野菜の水分を抜くときの塩もみは、砂糖で代用することもできます。
他の調味料で代用
塩分を減らすという話になると、味を薄くするという風に考えられる方がいらっしゃいますが、他の調味料で代用するという方法があります。
こしょう、カレー粉、にんにくなどを使用してスパイシーに仕上げたり、酢やだしなどを使い深みを出すことで塩分が少なくても満足できるようになります。
味噌の使い方
味噌汁は、麦味噌、豆味噌などの味噌の種類、メーカーによって塩分の量が変わります。
あくまで目安として、味噌の量の10分の1の塩分が含まれると考えて頂ければと思います。15gなら1.5g分の塩分が含まれていることになります。
味噌汁1人あたり小さじ1杯が理想で、味気ない場合はかつおだし、昆布だし、いりこだしなど、だしをしっかり効かせて味に深みをつけます。
具はあるべく多く、汁は少なくしましょう。
醤油の使い方
減塩しょうゆだけでなく、濃口しょうゆなどを料理に合わせて使い分けると良いです。食卓で刺身などに付けるものは減塩しょうゆを使います。一方で煮物などの場合味が決まらないこともあるので、煮汁を少な目にしつつ濃口しょうゆを使う選択肢を検討できます。
減塩しょうゆにしても、量を多めに使ってしまうことが多々あります。上手く使い分けをすることも大切だと思います。
定期的に塩分を測定しよう
食生活は意外と他人と比較することが難しく、普段から食生活に気を付けていても意外と塩分をとっていることがあります。
そのため、医療機関などで1日あたり塩分をどの程度とっているかを調べることをオススメします。
具体的には、クリニックで尿検査を行い、「尿中ナトリウム」、「尿中クレアチニン」などを測定して、「年齢」、「身長」、「体重」などを組み込んだ特別な計算式を使用することで、1日あたり塩分を何gとっているかを調べることが出来ます。