カリウムの働きとカリウムの多い食品&少ない食品 –後半–
前回は「カリウムの働きとカリウムの多い食品&少ない食品 – 前半 –」 として、カリウムの働きについてお話しました。
今日は、より具体的にご自身の食生活に活用できるように、カリウムの多い食品や少ない食品についてお話しします。
カリウムは多くの食品に含まれている
カリウムと聞くと野菜や果物、いもなどをイメージされる方が多いかと思います。もちろん正解です。ただ、これらの食品だけでなく、 肉や魚介類、乳製品などにもカリウムは含まれています。野菜や果物でもカリウムが多い食品、少ない食品があるので、一律には言えないのです。
カリウムの多い食品
スーパーで売られている生鮮食品等の中で比較的カリウムの多い食品を何点かご紹介します。
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野菜
- 小松菜(100gあたり)500mg
- ほうれん草(100gあたり)690mg
- トマト(1個 150gあたり)315mg
- だいこん(1/4本 200gあたり)460mg
- にんじん(1本 180gあたり)540mg
- たまねぎ(1個 200gあたり)300mg
- 白菜(1/8株 375gあたり)825mg
- サニーレタス(1/3玉 100gあたり)410mg
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果物
- アボカド(1/2個 70gあたり)413mg
- バナナ(1本 90gあたり)324mg
- キウイ(1個 85gあたり)255mg
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いも
- じゃがいも(1個 135gあたり)567mg
- さつまいも(中1/2本 120gあたり)456mg
- ながいも(約5cm 100gあたり)430mg
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肉類
- 豚ロース(脂身付き 100gあたり)310mg
- 鶏むね肉(皮つき100gあたり)340mg
- 鶏ささみ(100gあたり)410mg
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魚介類、大豆製品、乳製品など
- めかじき(100gあたり)440mg
- ごまさば(100gあたり)420mg
- するめいか(100gあたり)300mg
- 絹ごし豆腐(100gあたり)150mg
- 納豆(1パック 40gあたり)264mg
- 牛乳(200mlあたり)309mg
副菜をプラス1つでカリウムアップ
普段の食事に副菜をプラス1つすることで、手軽にカリウムの摂取量を増やすことができます。小松菜やほうれん草でおひたしを作ったり、サニーレタスとトマトでサラダを作ったりと、簡単なものでOKです。野菜にはカリウムだけでなく、ビタミンCや葉酸、食物繊維など健康の維持に必要な栄養素がしっかり含まれているので、簡単に作れる副菜をプラス1つ添えるところからはじめてみましょう。
カリウムの少ない食品
カリウムが少ない食品としては、ごはんや麺などの主食があげられます。野菜や肉などに比較してカリウムが少ないため、食事を主食のみで済ませていると、1日トータルでのカリウム摂取量が少なくなる可能性があります。また、肉類では脂質が多い豚バラ肉やひき肉などはカリウムが比較的少なくなります。野菜では、もやしや長ねぎ、なすなどがカリウムが少なめです。
調理法を工夫してカリウムを減らす
慢性腎臓病のステージが進行していたり、高カリウム血症があったりするとカリウム摂取量を控えてくださいと主治医から言われることもあるかと思います。栄養素には水に溶ける水溶性と、油に溶ける脂溶性があり、カリウムは水溶性です。そのため、野菜やいもの種類や水にさらす時間、茹でる時間にもよりますが、10〜50%ほどのカリウムを減らすことができると言われています。
前回はカリウムの働きや基準値、今回はカリウムの多い食品や少ない食品についてお話ししました。塩分とともに気になるカリウム、ぜひこの機会に日々の食生活を見直し、カリウムについて考えてみてください。
※慢性腎臓病のステージが進んだ方や高カリウム血症の方はカリウム制限がある場合があるので、主治医の指示に従ってください。