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減塩コラム:減塩習慣はじめよう | 赤羽もり内科・腎臓内科 森 維久郎先生
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減塩コラム

各先生に減塩に関するコラムを
執筆していただいています

減塩習慣はじめよう

1月になり、新しい習慣や1年の目標を立てる方も多いかと思います。今日は、体のためにはじめたい「減塩習慣」についてご紹介します。


私達は塩を摂りすぎている

「減塩」と聞くと「おいしくなさそう」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。しかし、減塩は体のためには非常に重要です。

日本人の食事摂取基準2020年版では、1日の食塩量の目標値を成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満(※1)に設定しています。また、高血圧や腎臓病をお持ちの方は、男女問わず6g未満(※2,3)となります。

私達は平均で1日約10g(※4)の食塩を摂取しているため、依然として目標量には達していないのが現状です。


今すぐ始められる減塩習慣

  • 麺類の汁を飲まない(減らす、残す)
  • 麺類は塩分量が多い料理の1つです。さらに、麺類を麺と汁に分けると、汁に多くの塩分が含まれています。例えば、種類やどこで食べるかにもよりますが、一般的にラーメンには約4〜6gの食塩が含まれていて、この食塩の半分以上は汁に含まれています(※5)。そのため、麺類の汁を飲まないようにするのが減塩習慣のはじめの一歩になります。
    そして、麺類を食べる回数も減らしましょう。1週間に3回食べる方は2回に、2回食べる方は1回にという形でできることから少しずつ始めましょう。

  • 汁物の回数を減らす
  • 汁物には1〜2gほどの塩分が含まれています。
    1日3回飲んでいると、これだけで3〜6gほどの塩分を摂取してしまうことに。まずは、1日1回まで汁物を減らしましょう。
    インスタントの汁物をよく飲むという方は、栄養成分表示を確認しできるだけ食塩相当量の少ない汁物を選ぶようにするのが良いです。

  • 食卓に醤油などを置かない
  • 食卓に醤油やソース、塩などを置かないのも1つの方法です。
    私達は、調味料が手の届く位置に置いてあるとついつい使用してしまいます。食卓に調味料を置くことをやめて、料理そのものの味を楽しみましょう。

  • 下味の塩をやめる
  • 下味に使用している塩をやめるのも1つの方法です。肉や魚を料理するとき、下味の塩をやめてこしょうだけにしてみましょう。
    下味に使用している塩は見落としがちですが、減塩は小さなことの積み重ねです。下味の塩をカットすることで、手軽に減塩を行うことができます。


塩分濃度計を使い、自分の食塩摂取量を知る

どれくらいの食塩を摂取しているか知ることはとても大切です。

「減塩してください」と言われても、まずは自分の食塩摂取量がわからないと目標が立てられませんよね。

そこで、まずは汁物や煮物などを塩分濃度計で測定し、日々の料理からどのくらいの塩分を摂取しているかおおまかにでも良いので確認しましょう。塩分濃度計はホームセンターなどで購入することができます。

また、より詳細に食塩摂取量を知りたい場合は、病院の尿検査などで測定することもできるので、かかりつけ医の先生に相談してください。

私のクリニックでも、尿検査から推定食塩摂取量を算出し、数字を確認しながら栄養指導を行っています。


できることから始めよう

減塩は小さな工夫の積み重ねです。すぐにすべてのことを行おうとすると難しいかもしれませんが、ご自身のライフスタイルに取り入れやすいものから行っていきましょう。最初から完璧を目指さずに行うのが、無理なく減塩するコツです。1月のこの時期に減塩習慣をはじめてみてはいかがでしょうか。

参考
※1:
日本人の食事摂取基準(2020年版), 第一出版
※2:
高血圧治療ガイドライン2019 , 日本高血圧学会
※3:
慢性腎臓病に対する食事療法2014年版 , 日本腎臓学会
※4:
令和元年度 国民健康・栄養調査結果の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

※5:
毎日の食事のカロリーガイド改訂版, 女子栄養大学出版部